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コラム (2019年10月)

DJW 理事長 ゲアハルト・ヴィースホイ

労働力不足の克服

2019-10-10, 14:14

変容する労働のあり方――日本とドイツにおける動向」というテーマは、皆様に様々な感情を呼び起こすのではないでしょうか? 間もなくAIやロボットに我々の職場を奪われるのではないかという懸念がある一方、新たな技術はドイツや日本のように高齢化する社会に対して全体的に高い生活水準を将来に亘っても維持出来るチャンスを提供してくれるのではないかという期待もあります。

将来への楽観的見通しの1つとして挙げられるのは、既に様々な技術面での可能性が実現しているにも拘らず、日本とドイツの昨今の労働市場は逼迫の様相を呈しているーすなわち人間はそう簡単に代替出来ない、という点です。従って、昨今、日本やドイツで多くの求人ポストを充足出来ない状況にあるということは、両国の社会の高齢化が既に現在の構造的に低いレベルにある失業率をもたらしている1つの証しといえるのではないでしょうか。

ここで疑問として呈されるのは、労働市場における需要と供給は長期的にいかにして調和の取れた状態に復帰するのか、ということではないでしょうか?労働市場の逼迫状態は移民の流入によっても克服することは出来ますが、移民受入れに対して社会の許容限度がある、という事実によってうまくいかないことはあり得ます。まさに過去数年ドイツで起こったように。

また、女性の労働市場への取込み促進によって需給の不均衡が短期的には緩和される可能性はあります。長期的には、むしろ中高年層の労働市場への取込み促進と新しいテクノロジー分野への投資促進によって大きな成功がもたらされると思われます。

まさに新しいテクノロジー分野への投資促進という面においては、国家が今まで以上に大きな役割を果たすべきです。インフラ拡充、教育と研究開発の分野への政府による直接投資によってですが、一方民間部門においても、研究開発およびロボットやAIへの大きな注力は必要不可欠です。

多くの企業にとって明らかに単独では難しいため、連携出来るパートナーを探すことになるでしょう。とりわけ、米国や中国といった強大な競争相手が背後に迫る状況においては尚更のことです。ここに、間違いなくドイツと日本が協力し合えるまたとないチャンスが拡大しているのです。

労働市場の変革に成功した暁には、その報酬として明らかに高い生産性向上が達成出来ます。DJWとして来年も引続き専念していくべきテーマでしょう。

 

Gerhard Wiesheu
Mitglied des Partnerkreises, B. Metzler seel. Sohn & Co. Holding AG
Vorstandsvorsitzender, Deutsch-Japanischer Wirtschaftskreis (DJW)
info@djw.de
http://www.djw.de
Gerhard Wiesheu
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Vorstandsvorsitzender, Deutsch-Japanischer Wirtschaftskreis (DJW)
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