DJW理事長 ゲアハルト・ヴィースホイ

経済分野において重要性を増す「持続可能性」評価

2018-07-03, 12:00

DJWは2018年10月、「社会的責任と経済的パフォーマンスの両立――持続可能性を重視した日独企業の経営戦略」をテーマに取り上げシンポジウムを東京で開催します。このタイトルを目にし、近年両国で生じた企業スキャンダルを思う浮かべた読者も多いのではないでしょうか。そのことも、本テーマが重要である根拠となっています。一方、日独両国の銀行はかつて、企業セクターとの緊密な関係を理由に、多くの場合「お目付け役」の役割を果たしてきました。しかし、過去数十年の間、その関係は徐々に緩やかなものとなり、企業が資本市場を通して資金調達を行うケースが増加してきました。日独両国のこの変化への対応において長く遅れを取っていましたが、ここ数年、対応を余儀なくされ、コーポレートガバナンスやスチュワードシップ、情報開示要請といった政策や規制を策定し、再び巻き返しを図ってきています。それはまた投資家による投資判断において「持続可能性」という尺度がより重要性を増しつつあることの表れでもあります。それというのも、政府による適切な規制、そして自ら選択した説得力ある企業経営のためのルールの両輪が揃ってはじめて、企業が将来においても自己資本および他人資本をしかるべく得ることができ、ひいては国民経済の健全な成長に資するからにほかなりません。

ゲアハルト・ヴィースホイ
B. Metzler seel. Sohn & Co. AG 代表取締役
DJW 理事長
info@djw.de
http://www.djw.de
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