ニュース & インフォメーション

日本の地方自治体と世界の架け橋として

寄稿:自治体国際化協会ロンドン事務所 所長 嶋一哉

This article was first published in DJW News 1/2017.

2016-12-31, 10:15

自治体の国際戦略・国際業務の総合サポート役として

今、日本の地方自治体には、地域経済の活性化や多文化共生といった様々な課題を解決するため、国際的な視野に立った戦略・事業運営が求められています。 そうした地方自治体の国際化を支援するのが自治体国際化協会(Council of Local Authorities for International Relations:CLAIR/以下、クレア)の業務です。クレアは、1988年に設立され、これまで約30年にわたって、日本と海外の地方自治体の交流事業の橋渡し、国際イベントへの参加を通じた日本の地域のPR、海外の地域活性化に関する情報収集、さらには外国語教育の充実などに取り組んで参りました。 目下のところ、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピックの開催に向けた地域の国際化推進や地方創生の観点からの地域物産の海外販路拡大と海外からの誘客の強化、英語教育の早期開始や定住外国人、外国人旅行客などの増加に対応するための外国語教育や多文化施策への支援、また、これら多様化する国際業務に対応できる人材の育成に取り組んでいます。【自治体の国際戦略・国際業務の総合サポート役として】 今、日本の地方自治体には、地域経済の活性化や多文化共生といった様々な課題を解決するため、国際的な視野に立った戦略・事業運営が求められています。 そうした地方自治体の国際化を支援するのが自治体国際化協会(Council of Local Authorities for International Relations:CLAIR/以下、クレア)の業務です。クレアは、1988年に設立され、これまで約30年にわたって、日本と海外の地方自治体の交流事業の橋渡し、国際イベントへの参加を通じた日本の地域のPR、海外の地域活性化に関する情報収集、さらには外国語教育の充実などに取り組んで参りました。 目下のところ、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピックの開催に向けた地域の国際化推進や地方創生の観点からの地域物産の海外販路拡大と海外からの誘客の強化、英語教育の早期開始や定住外国人、外国人旅行客などの増加に対応するための外国語教育や多文化施策への支援、また、これら多様化する国際業務に対応できる人材の育成に取り組んでいます。

ロンドン事務所について

現在、クレアは東京本部を中心として、国内に67支部(47の都道府県及び20の政令指定都市)と海外に7事務所を展開しています。その中でロンドン事務所(Japan Local Government Center:JLGC)は、1989年に開所し、英国、ドイツをはじめとする9カ国(英国、ドイツ、アイルランド、オランダ、オーストリア、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド)を活動範囲としています。
主な活動は、「海外活動支援事業」、「経済交流事業」、「調査・研究事業」、「JETAA(JETプログラム参加者同窓会、下記を参照)連携支援事業」となっています。「海外活動支援事業」では、日本の地方自治体等からの依頼により自治体の訪問先のアポイントの取り付けや、通訳の手配など、所管国内での日本の自治体関係者等の調査活動の支援をしています。また、「経済交流事業」では、所管各国でのイベントに参加し、日本の各自治体の観光パンフレットやグッズを配布して各地域のPR活動をしています。デュッセルドルフで行われる「Japan-Tag」にも参加しています。「調査・研究」では、所管各国での行政施策や公共事業、法令など自治体に関連したトレンド情報の調査・紹介をしています。「JETAA連携支援事業」は、後述するJETAAと連携し様々なイベントを開催し、また支援するための事業です。この事業の一環として、2017年2月16日、デュッセルドルフで日系企業とJETAAのキャリア・ネットワーキング・イベントを開催します(詳しくは文末をご覧ください)。

草の根交流と次世代グローバル人材を育成するJETプログラム

外国青年招致事業 (The Japan Exchange and Teaching Programme:JET Programme/略称:JETプログラム)は、1987年にスタートした国際交流事業で、これまでに65カ国から6万4千人以上を招聘してきました。ドイツからの参加者は289名で、そのうち7割は堪能な日本語能力を買われ、地方自治体(主に国際交流部局等)に配属され、国際業務で活躍してきました。
このプログラムには「外国語指導助手」、「国際交流員」、「スポーツ国際交流員」という3つの職種があります。中でも「外国語指導助手」は、参加者全体の9割を占めており、子どもたちの国際感覚の養成や活きた外国語の授業のサポートを行っています。また、「国際交流員」は、高い日本語能力が要求され、地方自治体の国際交流イベントの企画・実施や外国語観光パンフレットの翻訳、姉妹都市訪問団への随行・通訳、海外向け情報発信など活躍の場は多岐にわたっています。「スポーツ国際交流員」は、地域における優秀な選手等に対するスポーツ指導への協力やスポーツ事業の企画・立案及び実施にあたっての協力や助言などスポーツを通じた国際交流で活躍しています。

JETプログラムでの3省・クレアの主な役割

JETプログラムは、総務省、外務省、文部科学省、そしてクレアの4者による共同事業で、それぞれの主な役割は次の通りです。

  • 総務省:事業全体の総合調整と自治体への財政措置
  • 外務省:参加者の募集・選考、日本へ出発する参加者への事前オリエンテーションの実施等
  • 文部科学省:外国語指導助手への学校教育研修、指導等
  • クレア:自治体の要望に応じたJET参加者の配置及び渡航調整、来日直後のオリエンテーション及び各種研修の実施等

JETAAの主な活動

JETプログラム参加者同窓会 (JET Alumni Association:JETAA) は、JETプログラムの任期を終えた元参加者の親睦の場として1989年に結成されました。現在、16カ国で53の支部が組織されており、約2万8千人のOB・OGたちがプログラムを卒業してからも引き続き日本との架け橋として活躍しています。 JETAAでは、国あるいは支部ごとに様々な取り組みが行われています。彼らが最も大切にしている事業のなかに新規JET参加者のためのオリエンテーションを始めとする様々なイベントがあります。そこでは、OB・OGたちが自らの体験から助言を行い、また日本語などの研修を行うなどして、新規参加者が安心して日本に旅立てるようサポートしています。また、日本から帰国したばかりの元参加者に対して就職活動のため助言などを行うキャリア・ネットワーキング・イベントも実施しています。このような各国の支部の継続的かつ地道な活動が世代を超えて広がっています。

「JET Programme Explanation Day in Düsseldorf」

本年度、JETプログラム開始から30周年を迎えること、そしてJETプログラムOB・OGの親睦団体JETAA Germanyが活動を再開したことを記念して、JETプログラム及びJETAAを皆様にもっと知っていただくためのイベントを開催します。 JETプログラムの紹介及び JETプログラム経験者やその雇用企業の皆さまからJETプログラムとの関わりについてお話しいただくほか、ネットワーキングセッションをご用意しております。日系企業をはじめとする日独交流団体の皆様とJETAAの新たな関係づくりができることを願っております。大勢の皆さまのご参加をお待ち申し上げます。

© mrsiraphol / Freepik © mrsiraphol / Freepik

協賛会員