DJW理事長 ゲアハルト・ヴィースホイ

社会的コミットメント(積極的関与):ドイツと日本における重要な基盤

2024-09-13, 10:20

無報酬の社会奉仕活動や公益を目的とした非営利団体・組織は社会的結束の柱であり、日独両国の社会の繁栄に大切な貢献を果たしています。市民による自発的なコミットメントは社会基盤の強化、社会的結束を促すことから、、政治においても経済においても大きな価値を持つのです。

長い歴史を持つドイツにおける無報酬の名誉職

無報酬の名誉職を指す「Ehrenamt(エーレンアムト)」はドイツでは長い伝統を持ち、公共生活において中心的な役割を担っています。スポーツ、文化、環境、教育、社会サービスなど幅広い分野で、何百万人もの人々が無償の名誉職に就き、社会奉仕活動に携わっています。このような社会奉仕活動は、ドイツ社会では高く評価されており、民主主義と社会的結束の礎であると見なされています。ドイツは国家の政策としても、公益を目的とした非営利組織に対する税制優遇措置や、ボランティアに対する支援やネットワーク形成のためのプラットフォーム構築などを通して、市民の社会的コミットメントを積極的に推進しています。

市民による社会的コミットメントの場として、特によく活用されている形態が協会組織「Verein(フェアライン)」です。ドイツには数十万の協会組織があり、社会のさまざまな分野で活動を展開しています。このような協会組織の仕組みが、人々の交流と協力を促進するとともに、市民社会の強化や地域社会の活性化に貢献しています。社会奉仕活動の後押しは、社会のみならずビジネスの世界においても重要な課題となっています。それというのも、無報酬での自発的な活動が、それぞれの地域におけるイノベーションと変革のきっかけとなる原動力として機能することも多いからです。まさにDJWでの日々の活動において私たちが実際に目にし、体験しているように、文化間の交流の推進にも寄与しているのです。

日本における無償の社会奉仕活動は・・・

日本でも、特に1990年代以降、無償での社会奉仕活動の重要性が高まっています。この間、ボランティアによるイニシアティブや非営利団体(NPO)の数が著しく増加しています。日本では、NPOが社会奉仕活動の主な担い手となっており、これらの団体は、災害救援、環境保護、地域社会支援、国際協力など多くの分野で地歩を固めています。

こうした傾向にもかかわらず、ドイツと比べると日本での無償の社会奉仕活動は、制度として定着していません。それでも、社会的コミットメントが社会的結束やイノベーションに重要な貢献を果たし得る、という認識が、日本の政財界においても高まってきています。

経済界にとってのメリットも

日独両国の企業にとって、たとえば企業の社会的責任(CSR)や非営利団体との協働などが、一層重みを増してきています。ドイツにおいては、企業はCSR関連施策を通して社会に対する責任を果たすと同時に、雇用主としての魅力を高める努力をしています。従業員の社会奉仕活動を後押しすることが、そのための重要な要素のひとつになっています。

日本でも、非営利団体への直接的な支援にせよ、独自のCSR活動にせよ、種々の形で企業が社会貢献に積極的に関与するようになってきています。特に自然災害後の復興支援や地域コミュニティ支援において、企業は極めて重要な役割を果たしています。このように、自発的な社会奉仕活動とビジネスとの間の接点は、日独両国において重要性が高まっていると言ってよいでしょう。

ゲアハルト・ヴィースホイ(Gerhard Wiesheu)
B. Metzler seel. Sohn & Co. AG 代表取締役
DJW 理事長
info@djw.de
http://www.djw.de
ゲアハルト・ヴィースホイ(Gerhard Wiesheu)
B. Metzler seel. Sohn & Co. AG 代表取締役
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