DJW理事長 ゲアハルト・ヴィースホイより
日本:景気回復の兆しが出てきたのか?
30年に亘る長い停滞を経て、日本経済に動きが出てきたようです。5月の国内コアインフレ率は4.3%に上昇し、日銀の物価上昇率目標2.0%を大きく上回りました。今のところ、日銀はこれが一時的な物価急上昇に過ぎないと想定しているようです。継続的な高いレベルの物価上昇が定着するためには、賃金上昇の加速が必須であり、それが今こそ求められている状況です。2021年1月時点では変動要因調整後の賃金は前年比約1.3%下落しましたが、2023年4月には1.6%上昇しました。しかし、物価上昇率が2.0%程度に定着するためには、賃金上昇が動態的に3.0%程度まで上昇することが必要でしょう。そうなって初めて、日銀としては金融引締め方向に動かざるを得ない、という圧力を感じることでしょう。
少なくとも最近の経済データは良好で、購買担当者景気指数は顕著に改善していますので、労働市場は引き続き堅調で、賃金の更なる上昇の可能性もあるはずです。
日本とドイツの類似性
2013年1月の安倍晋三政権発足時から始まった着実な構造改革と企業レベルのリストラを経て、日本は今、新たな成長局面を迎えています。第1四半期の非常に力強い経済成長からも判るように、日本の経済環境は根本的に変わりつつあるようです。名目国内総生産は前年同期比3.9%の成長を記録しました。
2000年代の包括的な改革とリストラを経て、2009年に成長の10年が始まりました。このような好ましい成長段階が10年以上続くこともある好事例がドイツのケースです。もちろん、このような成長局面の間でも景気の変動はあり得ます。そういう意味では、米国と欧州の現在の景気後退傾向は、日本にも悪影響を与える可能性はあり得ます。
株式市場では何が起きているのか?
景気回復は株式市場の活況にも繋がっています。ウォーレン・バフェット氏は、日本の経済紙『日本経済新聞』のインタビューで、日本株への投資を増やすつもりであり、日本の大手商社グループ株を保有していることにつき、「非常に誇りに思っている」と語りました。
