DJW 理事長 ゲアハルト・ヴィースホイ

2016年経済展望

2016-01-08, 13:17

昨今の株式市場相場の荒模様にもかかわらず、2016年の経済見通しについては、「慎重に楽観(cautious optimism)」できる確かな根拠が並んでいます。ドイツ経済は2016年に約2.0%の成長を遂げると予測されています。企業在庫が非常に低水準であること一つをとっても、その可能性は高いといえましょう。過去2年間において、在庫の取り崩しは下限に達しており、2014年には在庫の減少がGDP成長率を0.3%、2015年にも0.6%引き下げたと試算されています。そのため、在庫の取り崩しが収束を迎えるにあたり、2016年にはGDP成長率が0.6%押し上げられるとの予想がされています。加えて、ドイツ企業が再び強気の姿勢を見せてきていることがうかがえ、多くの企業が投資拡大への意欲を示しています。それにともない発生し得る労働力の更なる不足が、移民の労働市場への迅速な統合を容易ならしめるだろうと考えられます。

日本においても、その見通しは明るいものとなっています。上方修正された第3四半期のGDPは、経済状況の著しい改善を示しており、企業の投資支出が既に顕著な伸びを見せていることもそれを証明しています。更に、第4四半期の景況指数によれば日本企業の景況感は引き続き良好であり、持続的な投資サイクルの実現、それにともなう自律的な景気の拡大が始まることが期待されます。

本年創立30年の節目を迎えるDJWにとっても、2016年は特別な1年となります。DJWは今から30年前の1986年、対日ビジネスの経験豊富な、ドイツ経済界を代表するリーダーの主導のもとで設立されました。そして15年前の2001年には、非営利の公益団体として登記を行い、日独の経済関係に関心を持つ人であれば、誰でも会員となれる組織へと姿を変えました。ドイツ国内で開催するシンポジウムおよび年次総会、そして秋に開催予定の東京セミナーにおいて、これらの周年記念を皆様と一緒に祝うことが叶いましたら、DJW一同大変嬉しく存じます。 

Gerhard Wiesheu
Vorstandssprecher, Bankhaus B. Metzler seel. Sohn & Co. KGaA
Vorstandsvorsitzender, Deutsch-Japanischer Wirtschaftskreis (DJW)
info@djw.de
http://www.djw.de
Gerhard Wiesheu
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