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コラム(2023年12月)

DJW理事長 ゲアハルト・ヴィースホイより

2024年の展望:日独両国の協力のチャンス

2023-12-19, 10:14

様々な出来事があった2023年も終わりに近づき、ドイツと日本が今後直面するであろう課題が明らかになりました。しかし同時に、両国が掴むことが出来るチャンスもあるのです。

ドイツ経済は構造的な赤字に苦しんでいます: 何十年もの間、ドイツ国家はインフラ、教育(ピサの学力比較研究結果参照)、研究開発への投資を年々減らしてきました。その結果、経済成長は著しく鈍化しており、加えて、官僚主義がドイツの起業家精神の重荷となっています。しかし、中国の輸出企業がドイツの花形産業である自動車産業や機械工学産業において深刻な競争相手となりつつあるため、この起業家精神は特に緊要性を増してきております。そして最後に、ドイツはエネルギー価格が高騰する環境下、重要なエネルギー集約型産業をいかに国内に引続き維持していくかという課題への回答を見つけなければなりません。

但し、良いニュースとしては、官僚主義を削減し、投資を増やし、教育部門を改善し、エネルギー転換を進め、全体として持続可能性を高めること等、いずれについても、全てドイツ自身の手中にあるということです。

極東に目を向ければ

一方日本に目を向ければ、抱える課題はやや異なるものとなります。米国連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)は2022年以降、主要金利を大幅に引き上げていますが、日本銀行はいまだにマイナス金利政策を継続しています。その結果は為替市場において顕著なものとなっております:購買力調整後の日本円の対外価値は、1970年の統計開始以来、初めての低い水準です。 競争力のある為替水準にもかかわらず、日本の輸出はほとんど伸びていません。本来であれば、この為替水準であれば相当の輸出ブームを当て込んで然るべきであったほどなのですが。しかし、日本企業は主に海外市場で現地生産を行う体制にシフトしてしまっているため、輸出の重要性はますます低くなっています。その一方で、極端な円安の為替レートは輸入品を割高にし、インフレを助長しているのです。

賃金の伸びが依然弱いため、インフレ進行により個人家計の実質所得が顕著に減少している事実も見て取れます。勿論、日銀が主要金利を引き上げて円高誘導することは可能ですが、それは不必要な景気後退を引き起こすリスクもあります。

したがって根本的な問題は、日本の経済政策がいかにしてデフレ心理を克服し、いかにして内需を強化するような力強い消費ニーズを作り出せるか、ということでしょう。その結果として、堅調な労働市場と物価上昇ターゲット達成に必要な賃上げ率を実現することにあります。

協力のチャンスは広がる

来たる年にはいくつもの課題があります:ドイツと日本は、いかにして効率的に国内産業を振興し、かつ、保護することができるのか、ということです。ここにおいて、ドイツと日本がより緊密に協力するチャンスがあると言えるでしょう。ここ数年の両国間の協力は、共に先進国である両国間の緊密な交流に大きな可能性があることを示しております。

もうひとつの重要なテーマは、持続可能性、ないしはESGです。日独両国は、パリの気候目標達成に貢献するために、まださらに大きな進展を遂げる必要があります。したがって2024年は、両国経済の構造的問題に取り組む好機となるでしょう。それゆえ、日独間の非常に良好な政治関係は、2024年にはさらに深化する可能性が高い、と言えます。

ゲアハルト・ヴィースホイ(Gerhard Wiesheu)
B. Metzler seel. Sohn & Co. AG 代表取締役
DJW 理事長
info@djw.de
http://www.djw.de
ゲアハルト・ヴィースホイ(Gerhard Wiesheu)
B. Metzler seel. Sohn & Co. AG 代表取締役
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