DJW理事長 ゲアハルト・ヴィースホイより

レジリエンスと持続可能性:日独企業の戦略

2024-04-12, 09:51

絶え間なく変化するビジネスの世界において、企業は変化する環境に適応し、レジリエンス(回復力、弾性力)を備えなければならない、という課題に直面しています。これは、特に、文化面・構造面で国家の生い立ちが異なるにもかかわらず、同様の課題に直面しているドイツや日本のような先進国にも同様に言えることです。これらに対処し、新たな状況に柔軟に適応する能力は、日独双方の企業が将来に亘って存続していくために極めて重要です。

レジリエンスが成功の鍵...

このところ、増々注目度合いが高くなったレジリエンスという用語は、システム構造が危機の後に元の状態に戻り、さらにはその状況からより強固に発展する能力を指します。地政学的緊張、気候変動、予測不能な景気変動リスク等、さまざまな不確実性に直面する企業にとって、この概念は益々関連度合いが高くなっているのです。

ドイツと日本は、その堅固な産業基盤と輸出志向の経済構造により、企業のレジリエンスという点では 似たような強みと弱みを有しています。例えば、両国共に多くの企業がグローバル・サプライチェーンに大きく依存していますし、コロナ蔓延によるパンデミックは、グローバル・サプライ・チェーンの混乱がいかに迅速に生産や販売に甚大な影響を及ぼし得るかを如実に示しました。従って、日独両国は共に将来的にこのような危機により万全に備えるために、サプライチェーンを多様化し、より強固なものにすることが求められるのです。

...しかし、どのように実行に移すのか?

全体として、技術への投資、イノベーション、デジタルトランスフォーメーション(DX)、そして文化面での変革を含む包括的な戦略が必要であり、またドイツと日本のようなパートナー間での交流の場の拡充も必要でしょう。新しい環境に柔軟に適応し、危機から力強く立ち上がることができる企業は、長期的にはより成功し、自社と社会のために持続可能な未来を創造することが出来ると言えましょう。

問題は、安定した未来を構築するために、将来を見据えた予防とダイナミックな適応をいかに成功させるか、ということです。とりわけ、どのような技術やイノベーションが役立つのでしょうか? また、更なる緊密な日独企業の交流は、どのような点で付加価値を生み出すことができるのでしょうか?

DJW シンポジウム 2024では、多角化によるレジリエンスの道筋に焦点を当てていきます。日独双方の企業の戦略や意思決定、技術革新、サクセスストーリーについて、皆様と一緒にエキサイティングなディスカッションを繰り広げたいと思います。

日独産業協会(DJW)の日独に跨るプラットフォームでの活発な意見交換を、そして7月の独フランクフルト・アム・マインで開催されるシンポジウムへのご参加を心よりお待ちしております!

ゲアハルト・ヴィースホイ(Gerhard Wiesheu)
B. Metzler seel. Sohn & Co. AG 代表取締役
DJW 理事長
info@djw.de
http://www.djw.de
ゲアハルト・ヴィースホイ(Gerhard Wiesheu)
B. Metzler seel. Sohn & Co. AG 代表取締役
DJW 理事長
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