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シュトゥットガルトの不動産事情

COS-Services アレクサンダー・ロエスラー

シュトゥットガルト近郊への駐在を予定されている皆様へ

2019-03-18, 12:09

休暇や出張先で、「どちらの出身ですか」と聞かれることがあります。シュトゥットガルトだと答えると、怪訝な面持ちで「シュトゥットガルト?」と返されることが決して少なくありません。ヨーロッパ以外の国では、シュトゥットガルトはあまり知られていないようです。しかし南ドイツにあるこの街では、世界でも指折りの製品が多く生産されており、特に自動車関連企業は有名です。ポルシェ、ダイムラー、ボッシュなどがこの地に起源を持ち、本社を構えています。それにともない、ベクター、マーレ、マン・ウント・フンメルなど、これら大企業のサプライヤーや関連企業もまた、シュトゥットガルト近郊を拠点とするようになりました。そして自動車部品の製造に必要な生産設備を提供する、シューラー、トルンプ、フエスト、インデックスといった工作機械会社もまた、シュトゥットガルト市内外に営業所や支店を置いています。

加えて、シュトゥットガルト大学とエスリンゲン大学は、自動車技術の分野の研究で世界を牽引しています。シュトゥットガルトは特許件数の最も多い街としても知られており、そのためドイツの「シリコンバレー」と呼ばれるほどです。

統計会社「Statistica」による調査では、ドイツで最も生活水準の高い街にシュトゥットガルトが選ばれました。シュトゥットガルトは、なんと世界中で最もストレスの少ない街なのだといいます。その土台には、低い犯罪率、充実した余暇・スポーツ・文化プログラム、豊かな自然、そしてシュヴァーベン地方特有の文化があります。シュヴァーベン地方の文化には、特に、互いを尊重し、謙虚かつ一定の距離を保った付き合い、そしてバラエティに富んだ郷土料理が挙げられます。

シュトゥットガルトは、長い時間をかけて「経済的な重力の中心」と呼ばれるまでに発展してきました。その背景には、企業間の協業や産学の連携による「ネットワーク効果」だけではなく、当地企業の成功と雇用創出の循環から生まれる「自己強化効果(self-reinforcement effect)」が存在します。大企業が優秀な人材を引き寄せることで、大学もまた優れた人材を獲得できます。それらの大学教授は、企業内でも重要なポジションを担ったり、アドバイザーとしての役割を果たしたりしています。そのため、大学で指導した優秀な学生を早期にスカウトし、企業に推薦することができます。このような自己強化効果が、安定的に、不断かつ長期にわたり働いてきたのです。

労働コストの上昇、渋滞の頻発、遅々とした公共交通機関の整備、大気汚染の深刻化、中央駅および周辺の大改造プロジェクト「Stuttgart 21」に対する反対運動等々の問題にもかかわらず、シュトュットガルトに拠点を置く企業は成長を続け、当地に更なる投資を行っています。しかしシュトュットガルトの不動産市場に目を向けたならば、そのことが新たな課題を生み出しています。

続きはこちらからご覧いただけます。

  • 不動産市場への影響
  • ドイツ国内の他の都市の状況
  • シュトュットガルトの不動産市場の現状
  • 不動産売買市場の推移
  • 賃貸住宅探しが困難な理由
  • 住宅探しのプロセス
  • シュトュットガルトの家賃相場
  • シュヴァーベン地方特有の「掃除当番」?
  • 家賃の他に必要なコスト
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