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„New Strategic Framework for Flexible Employment System & Introducing Foreign Human Resources - based on the recommendations of Keizai Doyukai"

Tetsuo Narukawa, Chairman of International Affairs Committee / Vice- Chairman of Labor Market Reform Committee of KEIZAI DOYUKAI

This Speech was held during our Symposium in Tokyo in 2019 (in Japanese).

Do 10.10.2019, 14:52 Uhr
  • 私は現在、日本の経済団体の 1 つである経済同友会(Japan Association of Corporate Executives)で、国際問題委員会の委員長(Chairman of International Affairs Committee)と労働市場改革委員会の副委員長 (Vice-Chairmanof Labor Market Reform Committee)を務めています。労働 市場改革委員会では、これまで2年間にわたり、人口減少社会におけるわが国をめ ぐる課題について幅広く議論し、その活動結果を踏まえて、提言をとりまとめ、今 年の 1 月に公表しました。
  • 今日は、その経済同友会の提言のご紹介したいと考えています。加えて、その中心 課題の一つである「外国人材の日本への受け入れ」に関し、日本政府は、昨年12 月、「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」を成立させ、 この 4 月よりスタートさせています。この改正法は,在留資格「特定技能1号」「特定 技能2号」の創設、出入国在留管理庁の設置等を内容とするものです。この新しい在 留資格の創設に関し、コメントしたいと考えています。経済同友会の提言と本日の私 の説明につきましては、受付のところに資料が置いてありますので、ご興味ある方 はお読みいただけましたら幸いです。この提言は、経済同友会のホームページから もお読みになれます。但し、残念ながら日本語版しかありませんのでご了承くださ い。英語版の要約は追って作成の予定です。
  • それではまず提言の内容について、かいつまんでお話をいたします。

<提言の内容>


Ⅰ.現状認識・問題意識

  • まず、現状認識・問題意識として3点述べています。第一は「道半ばの労働法改革」です。 今年6月に働き方改革関連法が成立しましたが、本法の成立をもって、改革が完結したわ けではありません。多様な働き方の実現に向けて、さらなる労働法改革を求めています。
  • 第二は、「ジョブ型雇用の選択肢がないことがダイバーシティの推進や雇用の流動化を阻 害」している点が挙げられます。日本ではこれまでメンバーシップ型雇用が中心で、ジョ ブ型の選択肢がなく、ダイバーシティ、流動化が進んでいないと考えられます。
  • 第三は、「外国人労働者による労働力不足への対応」です。日本経済は既に外国人労働者 がいなければ成り立たなくなっていますが、現実には本来就労を目的としない留学生や技 能実習生によって労働力不足が補われています。技能実習制度では実習生の失踪の多発等 の問題も起きています。一方、外国人労働者の送り出し国である、新興国との経済格差は 縮小しており、日本は既に魅力的な国ではなくなっている可能性があります。

Ⅱ.提言1:雇用流動化の仕掛けづくり:メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用とのハ イブリッド型への移行です。

  • ここでは大きく2つの提言をしていますが、最初の提言は「メンバーシップ型雇用からジ ョブ型雇用とのハイブリッド型への移行」です。
  • 本提言では、ハイブリット型雇用とは、企業がメンバーシップ型雇用とジョブ型雇用の選 択肢を設け、個人が自主的に働き方を選ぶ雇用のあり方としています。
  • ハイブリッド型雇用の導入により、企業は、グローバル化や産業構造の変化に応じて、柔 軟に事業を組み換え、必要な人材を確保しやすくなります。また、個人は、多様な選択肢 3 の中から、自らの能力、ライフスタイルに応じた働き方を選ぶことが可能となります。
  • 提言では、2030 年に向けて目指す働き方のポートフォリオについての図式を提示して、 例えば 2030 年を目標として、メンバーシップ型雇用の職能型正社員の構成比を下げ、 ジョブ型の働き方の割合を一定の水準に高めることを求めています。
  • 加えて、こうしたポートフォリオに向けて「企業がすべきこと」も提言しています。雇用 の入り口と出口の多様化、社員のキャリア形成の支援、役割に応じた人事処遇制度の導入 が必要と考えます。
  • そのために「国がすべきこと」も提言しています。雇用流動化、高齢者の就労促進に向け て、退職金優遇税制の見直しや在職老齢年金による年金減額制度の廃止、リカレント教育 の必要性を指摘しています。

Ⅱ.提言2:戦略的な外国人材受入れの開かれた仕組みづくり

  • 第二の提言は、「戦略的な外国人材受入れの開かれた仕組みづくり」です。
  • まず、政策に対するスタンスとして、入管法改正により、「新たな在留資格」が創設され たことは、原則、高度人材に限定していた外国人就労における政策転換の第一歩であると 評価をしています。しかし、外国人受入れに関する基本的考え、枠組みについて、十分な 議論がなされたとは言えません。そこで、この 4 月より導入された「新たな在留資格」に ついては、当面はパイロット的な位置付けで運用し、その効果の検証も踏まえて、制度設 計について包括的な見直しも含めた検討を行うことが不可欠です。
  • 外国人材受入れ政策については、短期、中長期、共生政策という3つの観点から提言して います。
  • 最初に、短期的な視点で「「新たな在留資格」制度の運用を円滑にする仕組み」について 2点ご説明します。第一に「客観性、透明性ある受け入れ業種の選定」が必要です。透明 性あるプロセスを確立すべく、労働市場テストにより国内で必要な労働力が確保できない 4 ことが確認できた場合には、外国人材の受入れを認める仕組みを導入すべきです。
  • 第二に、「クォータ(割当)制の導入」も必要です。労働需給の分析に基づいて、国別、 業種別、地域別の受入れ人数を毎年決定し、その範囲内で外国人材の受入れを行うべきで す。
  • 中長期的な視点で「「新たな在留資格」制度の実効性を高めるために必要な仕組み」とし て、4点ご説明します。
  • 第一に、「外国人材受入れ政策を統括する組織の創設と実効性ある監理の仕組み、法の整 備」です。外国人材受入れにあたっては、包括的な政策が求められるため、省庁横断的な 組織の創設が不可欠です。また、実行性ある監理の仕組みを構築すべく、送り出し国と二 国間協定を締結したうえで、外国人材の現地での採用から帰国までの全プロセスを国が直 接行うべきです。こうした体制整備を実現していくためには、例えば「在留外国人基本法」 といった総合的な法律の整備が必要です。
  • 第二に、「外国人材受入れの可否を検討する専門的機関の創設と労働市場テストの実施」 です。外国人材受入れの可否について検討する専門的機関の設置を求めます。この機関に よる分析を踏まえ労働市場テストを実施したうえで、その結果に基づき、受入れ業種やク ォータ(割当)を決定すべきです。
  • 第三に、「技能実習制度と独立した制度運用」です。「新たな在留資格」は、技能実習制度 を前提とした枠組みですが、両制度の目的は大きく異なります。また、技能実習制度には 運用面で大きな問題もあります。そこで、両制度は本来の目的を踏まえ、接続させずそれ ぞれ独立した制度として運用すべきです。なお、技能実習制度については、ニーズも踏ま えて、廃止も視野に入れた見直しが必要です。
  • 第四は、「雇用許可制の導入」です。外国人材に対して、日本人と同等以上の給与を支払 い、適切な労働環境を用意できる優良な企業や事業主のみが、外国人材の受入れができる よう、受入れ企業等は許可制とすべきです。加えて、受入れ許可の可否を判断するために、 5 企業等の財務状況や居住環境の充実度等に基づき加減点を行う、ポイント制も導入すべき と考えます。
  • また、「外国人材との共生社会の実現に向けた取り組み」についても3点提言しています。
  • 第一に「家族帯同と社会統合政策の充実」です。「新たな在留資格」では「特定技能1号」 の間(の5年間)は家族の帯同は認められていませんが、一定の就労期間を経て、家族帯 同が可能となるようにすべきです。また、社会統合政策の一環として、日本語教育の支援 や日本の歴史、文化を外国人材が学べるようにする必要があります。企業も相応に負担す べきと考えます。
  • 第二に、外国人材の生活環境の整備に向けて「地方自治体への支援の強化」が必要です。 まずは国が自治体に、学校教育等の行政サービスについてガイドラインを示したうえで、 自治体と連携を取るべきです。予算については、多文化共生の範囲内であれば、使途の制 限を設けない財源を自治体に対して配分すべきです。
  • 第三に「外国人子弟への教育」です。外国人子弟には就学義務がありませんが、外国人子 弟に対しても、就学義務を課すことを検討すべきです。加えて、日本語教員の資格要件を 緩和し、教員数の増加を図ったうえで、外国人生徒に対する教員配置の拡充を行うべきで す。  
  • 最後に、これは日本企業に対し、「外国人材の受入れにおいて経営者が果たすべき責務」 について提言しています。
  • 外国人材の確保には然るべきコストが伴い、これを担うことは企業、経営者の責務です。 安価な労働力として外国人を活用するという認識を改め、中長期的な視点から戦略的に外 国人材を活用、育成していかねばなりません。女性、高齢者、外国人など多様な人材の活 用とその活躍を促すことが、わが国の成長の鍵だと考えます。
  • 経済同友会の提言の説明は以上ですが、日本における今後の外国人材活用についていくつ 6 かコメントを述べたいと思います。
  • まず第一に。外国人を雇用する企業の立場から論点を提示したいと思います。 企業は、日本社会が外国人の労働なしには成り立っていかない現状とあわせて、受け入 れ国としての優位性を冷静に判断し、外国人材を戦略的に受け入れる体質の整備を行な うべきであると思います。まず、提言でも書きましたように、外国人が安価な労働力と して使われてきた現実を正していくうえで、例えば、優良な企業のみが外国人を受け入 れられるといった企業の許可制等が考えられます。つまり、外国人材の確保に伴うしか るべきコストは企業経営者の責務としてとらえ、受け入れ企業はコンプライアンスの徹 底はもちろん、外国人材が定着できるよう能力やスキル向上のための投資を行う必要が あります。同時に、自治体と連携して生活環境の整備にも取り組んでいくべきです。人 口減少社会の日本が、世界とともに発展するオープンな国を実現するには、日本の企業 がグローバルな要素を取り入れ、企業の発展の要となる高度人材を受け入れる必要があ ります。しかし、現状その受入れは進んでおらず、例えばスイスにあるビジネススクー ル IMD が毎年公表している資料などによっても、日本は外国人にとって魅力のある国 調査で下位に低迷しています。つまり、高度人材だけをよい所取りすることはできず、 日本社会が、外国人全体をいかに受け入れて、いかに共生していくかという基盤があっ てこそ、はじめて高度人材も受け入れることができることになるからです。
  • 第二に、この 4 月にスタートした新しい特定技能という在留資格についてコメントしたい と思います。この制度の問題点として以下の点をあげたいと思います 新たな政策では、①労働市場のボトルネックの特定が行われておりおらず、14 業種 34 万 5,000 人の受入れの根拠や効果が明らかになっていません。従来受け入れが少ないボ トルネック職種に該当するミドルスキルの外国人労働者受け入れについて、もっと包括的 に検討行う必要があると思います。②外国人労働者の日本語学習機会の保証があるのかど うかや、実施のための財政負担が十分に明らかではありません。③外国人労働者の住宅の 7 最低基準の設定、費用徴収の条件設定などを行うべきだと思います。④外国人労働者が過 重な債務を負って働き、実際は弁済できない場合も想定したフィナンシャルプランニング が不可欠だと思います。特に債務を抑制し病気や帰国など不測の事態に備え保証保険に再 保険も考慮すべきではないでしょうか。⑤自治体における外国人支援のワンストップセン ターについて、国の補助が 50%に限られ、予算は合計 20 億円に限定されています。自 治体の支援を拡大すべきだと思います。⑥職業斡旋、賃金労働条件だけではなくて、人材 開発にも労働行政が積極的に関与して、公正な社会統合に実現する必要があると思います。 私の話はこれで終わります。ご清聴ありがとうございました。 以 上

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Tetsuo Narukawa
Tetsuo Narukawa, Chairman of International Affairs Committee / Vice- Chairman of Labor Market Reform Committee of KEIZAI DOYUKAI
Tetsuo Narukawa
Tetsuo Narukawa, Chairman of International Affairs Committee / Vice- Chairman of Labor Market Reform Committee of KEIZAI DOYUKAI

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