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Brexit セミナー「英国のEU 離脱問題による日系企業への影響と対策」

鈴木雅勝、PwCパートナー

Dieser Artikel erschien ursprünglich in den DJW News 3/2017.

Sa 03.06.2017, 16:35 Uhr

2016年6月23日に英国においてEU離脱に関する国民投票が行われてから約9か月が経過し、様々な報道がされ、また各種機関により多くの分析や見解が発表されてきたBrexitについて、今一度総合的・多角的に分析し、法律・経済・制度面でのインパクトを理解することが重要であろうとの考えのもと、PwCドイツ、在ドイツ日本国大使館、日独産業協会(DJW)は、在ドイツ日系企業における欧州事業責任者、経営企画、欧州戦略等のご担当者を対象として「Brexitセミナー」を共催致しました。2017年3月30日(木)ベルリン、4月20日(木)デュッセルドルフ、5月8日(月)フランクフルト、5月11日(木)ミュンヘンにおいて、4回にわたり開催したセミナーでは、下記の内容を軸に解説を行うとともに、セミナー後にはレセプションの場を用意し、参加者同士での情報交換や親睦を深めていただきました。

セミナーでは、①欧州進出企業への影響・課題、対応策、関連準拠法、②日EU間及び日英間の貿易・投資への経済効果分析、③ドイツ各州政府における企業支援策、④他国企業(米国、中国、韓国)のBrexit対応の傾向、等を網羅致しました(詳細は、こちらから資料をご覧下さい)。「①欧州進出企業への影響・課題、対応策、関連準拠法」では、8つの業種(電機、輸送機器、機械、化学、精密機器、医薬、金融、物流)を対象に、7つの企業機能(ビジネスモデル・オペレーション、調達・サプライチェーン、法務・コンプライアンス、IT・情報セキュリティ、会計・税務、人事、資産管理)ごとにインパクトを分析しましたが、特にこの部分に関し参加者の皆様からの高い関心が寄せられ、各企業への具体的なインパクト、またそれに対してどのような準備が必要なのかと言った視点で説明内容に耳を傾けられていました。

実際にいつから準備をしていく必要があるのかについては、まだまだ英国とEUの交渉の展開を見ていかないと難しい面があり、その点については今後も注視していく必要がありますが、今回のセミナーは、他の参加企業と、Brexitへの準備状況について相互に情報交換を行う良い機会にもなったのではないかと存じます。セミナーの参加者からは以下のようなフィードバックが得られました。

  • Brexitの動向も踏まえつつ、今後の欧州内での投資先を見極めていきたい。
  • 離脱表明のみの現時点では、今後のBrexitを取巻く状況はまだまだ不透明なことが多い。その中で、現時点で想定できることをこのようにまとめて情報シェアされることは非常に有益であった。今後もタイムリーなアップデートを期待したい。また日系企業としては、この動向を随時キャッチアップしながら自社の取るべきアクションを考えていくことが重要である。
  • 解かりやすく抑えるべき情報を纏めて頂いて、頭の中を整理できた。個々の企業の視点からの検討とともに、政府の立場ではどのように課題設定するのかを検討することも重要である。
  • 多岐にわたるトピックがあり、有益な情報を得ることができた。次のアクションとして、自社をこれらの情報・視点で俯瞰する必要がある。許認可に関連する動向について解説して頂き、大変助かった。今後もアップデートがあり次第、このようなセミナーを開催し続けて頂きたい。
  • 本日は主要産業ごとの解説があった。今後は各企業ごとにミクロの視点で影響分析・自社戦略を検討する必要があると感じた。
  • Brexitの影響について多くの情報の中から、企業や産業に対して本質的・実質的に影響が出る内容を把握することが重要である。
  • マクロの視点と、ミクロの視点の両方を持つことが重要になると感じた。一企業としては、ミクロの視点でとらえ、自己責任で対応を進める必要性を感じた。
  • 欧州大陸での事業拡大や投資が、Brexitに起因するものだけではなく、他の理由でそれ以前から検討され、Brexitによりそれらの意思決定が促進されている場合もある(米国企業の動きなど)
  • 今後も、他企業と情報交換できる場があることを期待する。
  • 今回のセミナーでまとめてあるデータや情報を、今後継続的にアップデートされることを希望する。
  • 今後、英国とEUでの交渉が進むため、それらに関する情報収集(新しい規制が出てくるのか、など)が求められている。

以上のように、在ドイツ日系企業のBrexitに対する関心の高さがうかがわれ、今後も同様のセミナーを期待する声も多く聞かれました。私どもとしても、引き続き英EU間の交渉の展開を注視し、情報の提供に努めて参ります。

  • 多岐にわたるトピックがあり、有益な情報を得ることができた。次のアクションとして、自社をこれらの情報・視点で俯瞰する必要がある。許認可に関連する動向について解説して頂き、大変助かった。今後もアップデートがあり次第、このようなセミナーを開催し続けて頂きたい。
PricewaterhouseCoopers 
Partner
Masakatsu Suzuki
masakatsu.m.suzuki@jp.pwc.com
http://www.pwc.de
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Partner
Masakatsu Suzuki
masakatsu.m.suzuki@jp.pwc.com
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